筋トレのウソ?ホント? · 研究で確かめる
足の向きで、太ももの
内側・外側を鍛え分けられる?
「つま先を外に向けると内もも寄り、内に向けると外側寄りに入る」「足幅を変えて、太ももの内側と外側を鍛え分ける」と聞くことがあります。スクワットの足の置き方で、太ももの前の筋肉の使われ方が変わるのか、研究を見てみましょう。
結論
まだはっきりしない
スクワットでつま先の向きや足幅を変えても、太ももの前の筋活動はほとんど変わらなかったという研究が複数あります。ただし、足の向きや足幅で、筋肉の育ち方を比べた試験は見つかっていません。足幅を広くすると、お尻と内ももの筋活動は大きくなりました。
足の向きで育ち方が変わるかは確かめられていない(まだはっきりしない)足の向き・足幅と、太ももの前の筋活動
太ももの前には、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4つの筋肉があります。ここで紹介する研究は、筋電図(筋肉が力を出すときの電気の信号を測る方法)で、筋肉の働き方を比べたものです。
つま先の向きを変えても、太ももの前の筋活動はほとんど変わらなかった
運動習慣のある成人20人(男性13人・女性7人)の研究です。スクワットで、つま先を正面・内向き・外向き・前後にずらす、4つの足の置き方を比べました。大腿直筋・内側広筋・外側広筋の筋活動は、ほとんど変わりませんでした。
PubMed で見る足幅を変えても、太ももの前の筋活動は変わらなかった
トレーニング経験のある男性9人の研究です。スクワットで、足幅を狭く・肩幅・広くして比べました。太ももの前(大腿直筋・内側広筋・外側広筋)の筋活動は、足幅で変わりませんでした。内転筋(内もも)と大殿筋(お尻)は、足幅の影響を受けました。
PubMed で見る足幅で差が出たのは大殿筋だけだった
トレーニング経験のある6人の研究です。スクワットで3つの足幅を比べ、太ももとお尻の8つの筋肉の筋活動を測りました。足幅で差が出たのは大殿筋だけで、広いほうが大きくなりました。太ももの前の筋活動は変わりませんでした。
PubMed で見る筋肉の大きさで見ると
次の2つは、足の位置を変えた試験ではありません。ただ、太ももの前の4つの筋肉が、それぞれどのくらい大きくなったかを測っています。
レッグエクステンションでもレッグプレスでも、外側・内側・中間の筋肉は同じくらい大きくなった
トレーニング未経験の17人の試験です。片脚はレッグエクステンション、もう片脚はレッグプレスを12週間行い、MRI(体の中を撮影する方法)で筋肉の体積を測りました。外側広筋(6.4%と6.2%)・内側広筋(7.2%と6.0%)・中間広筋(5.0%と4.4%)は、どちらの種目でも差がありませんでした。大腿直筋は、レッグエクステンションで13.2%増え、レッグプレスではほぼ増えませんでした。
PubMed で見るスクワットだけを続けると、太ももの前の4つの筋肉は同じように大きくなった
大学生18人(女性9人を含む)が、平行までしゃがむスクワットを週2回・7週間行いました。大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋のすべてが大きくなり、筋肉ごとの増え方に差はありませんでした。
PubMed で見るふくらはぎでは?
カーフレイズでは、つま先の向きで内側・外側の育ち方が変わった
若い男性22人が、片脚ずつのカーフレイズを、つま先を外向き・内向き・正面の3通りで9週間行いました。どの向きでも腓腹筋(ふくらはぎ)は厚くなりました。つま先を外に向けると内側、内に向けると外側が、より大きく増えました。
PubMed で見る太ももの前の研究は、筋電図が中心です。筋電図は、そのときの筋肉の働き方を見るもので、筋肉が大きくなるかを直接測ったものではありません。人数も6〜20人と少なめです。筋肉の大きさを測った2つの試験は、足の位置を変えた試験ではありません。足の向きや足幅で太ももの前の育ち方を比べた試験は、まだ見つかっていません。
じゃあ、どうする?
- 太ももの前を鍛えるとき:足の向きや足幅は、ひざとつま先の向きをそろえて、動きやすい形を選ぶ方法があります。
- お尻や内ももを使いたいとき:足幅を広めにする方法があります。足幅を広くすると、大殿筋と内転筋の筋活動が大きくなりました。
- ふくらはぎは別:カーフレイズでは、つま先の向きで内側・外側の育ち方が変わったという試験があります。
エビトレなら、鍛えたいところに合わせて、研究のある種目を選べます。種目ごとに、どの筋肉にどのくらい効くかを、エビデンスの強さと出典の論文つきで確認できます。
エビトレを見るこの記事は研究の内容をまとめたもので、医療ではありません。持病のある方や痛みのある方は、医師や専門家に相談してください。(2026年10月 時点の研究にもとづきます)