筋トレのウソ?ホント? · 研究で確かめる
ゆっくり上げ下げすると、
筋肉がつく?
「ゆっくり上げ下げしたほうが効く」とよく言われます。動作の速さ(テンポ)を変えると、筋肉の大きくなり方は変わるのか、研究を見てみましょう。
結論
ウソ
ゆっくり動かしたほうが筋肉がつく、という結果は出ていません。14件の研究のまとめでは、1回約3.5秒のゆっくりでも、約1秒の速めでも、筋肉の大きくなり方はほぼ同じでした。1回に10秒以上かける、とてもゆっくりなやり方は、かえって不利かもしれないとされています。
エビデンスレベル:中(系統的レビュー・メタ分析が2本(2015年・2025年)あり、結論は同じ向き(テンポの差は小さい)。ただし、まとめられた一つひとつの研究は人数が少なく、方法もばらばら。2025年の分析でも、条件によっては差が出るかもしれない、確かさは分析によってちがう、と書かれている。)ゆっくりと速めを比べた14件の研究
ゆっくり(1回約3.5秒)でも速め(1回約1秒)でも、筋肉の増え方はほぼ同じでした。
テンポ以外の条件をそろえて、上げる動き(コンセントリック)か下ろす動き(エキセントリック)の速さだけを変えた14件の研究をまとめました。ゆっくり(1回1.7〜4.5秒、平均約3.5秒)と速め(1回0.3〜2秒、平均約1秒)をくらべると、筋肉の増え方の差はごくわずかで、むしろ速めのほうがほんの少し上でした。差が「小さい」以上になる見こみも低いと計算されました。著者は、テンポは筋肥大(筋肉が大きくなること)への影響が全体としてとても小さい、とまとめています。
PubMed で見る0.5秒〜8秒なら、どれも同じくらい
1回0.5秒〜8秒の範囲なら、どの速さでも筋肉の増え方は同じくらいでした。
病気やけがのない人が、6週間以上、限界(正しいフォームでもう1回上げられない状態)までトレーニングした研究のうち、テンポをくらべた8件をまとめました。1回の動作にかける時間が0.5秒から8秒までなら、筋肉の増え方は同じくらいでした。一方で、1回に10秒以上かける、とてもゆっくりなやり方は、筋肉を大きくするには不利かもしれないとされました。ただし、きちんと比べた研究が少ないので、はっきりとは言えないとも書かれています。
PubMed で見るまだわかっていないこと
テンポの研究は結果がそろっておらず、上げる・下ろす動きそれぞれの時間の影響はまだよく調べられていません。
動作の速さが筋力と筋肥大にどう関わるかについて、これまでの研究を整理したまとめの論文です。著者は、テンポについての研究ははっきりした答えを出しておらず、とくに下ろす動きと上げる動きの時間を分けて、長い期間の変化を調べた研究がない、と指摘しています。そのため、トレーニングのすすめ方をはっきり決めるのはむずかしいとしています。
PubMed で見るここで見ているのは「筋肉の大きさ」です。ゆっくり動かすと同じ重さでもきつく感じるので、軽い重さでも限界の近くまで追い込みやすい、という面はあります。下ろす動きだけ・上げる動きだけの速さの影響は、まだよくわかっていません。
じゃあ、どうする?
- 速さにこだわりすぎず、1回あたり1〜4秒くらいの、自分がコントロールできる速さで動かすという方法があります。反動を使わず、下ろすときにストンと落とさなければ十分です。
- テンポよりも、セット数(量)と、限界の近くまでがんばれているかを大事にするという方法があります。エビトレで毎回の重さと回数を記録して、少しずつ増えているかを見てみましょう。
エビトレでは、前回の重さと回数が、記録するときに最初から出ます。テンポにこだわるより、重さや回数が少しずつ増えているかを、種目ごとのグラフで確かめられます。
エビトレを見るこの記事は研究の内容をまとめたもので、医療ではありません。持病のある方や痛みのある方は、医師や専門家に相談してください。(2026年10月 時点の研究にもとづきます)