筋トレのウソ?ホント? · 研究で確かめる
筋トレと有酸素を一緒にやると、
筋肉がつきにくい?
「有酸素運動をすると、筋トレでつけた筋肉がつきにくくなる」とよく言われます。筋トレだけの場合と、筋トレに有酸素を足した場合を比べた研究を見てみましょう。
結論
ウソ
研究のまとめでは、筋肉の大きさと最大の筋力の伸びに、差はみられませんでした。持久力は、有酸素を足したほうがより伸びていました。ただし、瞬発的な力や、男性の下半身の筋力など、一部では伸びが少し小さいという結果もあります。
エビデンスレベル:中(まとめは複数あり、筋肉の大きさはおおむね差なしでそろっているが、一部で小さな差があり、結果にばらつきがある)筋肉の大きさと最大の筋力
筋肉の大きさと最大の筋力は、有酸素を足しても差がなかった
健康な大人を調べた43件の試験のまとめです。同じ筋トレだけの場合と、筋トレに有酸素を足した場合(4週間以上)を比べました。筋肉の大きさと最大の筋力には、差がありませんでした。瞬発的な力は、有酸素を足したほうが伸びが小さく、同じ回のトレーニングで続けて行った場合に目立ちました。3時間以上あけた場合は、差はみられませんでした。有酸素の種類(自転車かランニングか)、週の回数、トレーニングの経験、年齢による違いはみられませんでした。
PubMed で見る筋力・瞬発力・筋肉の大きさは同じくらいで、持久力はより伸びた
研究のまとめ17件(元の研究は144件)を、さらにまとめた研究です。筋トレと有酸素の組み合わせは、筋トレだけと比べて、筋力・瞬発力・筋肉の大きさが同じくらいでした。持久力(有酸素の能力)は、組み合わせのほうがより伸びていました。
PubMed で見る小さな差がみられたまとめ
筋線維の太くなり方は、少し小さかった
筋線維(筋肉の細胞)の太さを、筋肉を少し取って調べた試験のまとめです。筋トレに有酸素を足すと、筋トレだけより筋線維の太くなり方が少し小さくなりました。遅筋線維では、有酸素をランニングで行った場合に小さくなり、自転車では差がありませんでした。筋肉全体の大きさではなく、筋線維の太さの結果です。著者は「予備的な結果」としています。
PubMed で見る男性では、下半身の筋力の伸びが小さかった
18〜50歳の健康な大人を調べた研究のまとめです。筋トレと有酸素を組み合わせると、男性では下半身の筋力の伸びが小さくなり、女性ではそうなりませんでした。筋肉の大きさは、データが足りず結論が出せませんでした。
PubMed で見るトレーニング経験者が同じ回に両方をすると、脚の1RMの伸びが小さかった
脚の1RM(1回だけ上げられる最大の重さ)を調べた研究のまとめです。トレーニング経験者では、有酸素を足すと脚の1RMの伸びが小さくなりました。この差は、同じ回のトレーニングで両方を行った場合にだけみられました。未経験の人や、中くらいの経験の人では、差はありませんでした。
PubMed で見る2012年の古いまとめ(21件の研究)では、ランニングとの組み合わせで筋肉と筋力の伸びが小さくなり、自転車ではそうならない、という結果でした。ただ、新しいまとめでは、有酸素の種類による違いはみられていません。ランニングと自転車の違いは、研究によって結果が分かれています。また、とても高いレベルの選手のデータは少なめです。
じゃあ、どうする?
- 有酸素を足してかまわない:筋肉を大きくする・筋力を伸ばす目的でも、有酸素を足してかまわないと考えられます。
- 瞬発力や脚の筋力を優先する時期は:筋トレと有酸素を別の日にするか、数時間あける方法があります。
同じ日にやるときの順番は、「有酸素は、筋トレのあとがいい?」でまとめています。
エビトレなら、有酸素も時間・距離・きつさで記録できます。ランニングやエアロバイクなど7種目があり、筋トレのセット数や負荷量とは分けて記録されます。筋トレと有酸素の組み合わせのような「やり方」の研究も、トレーニングの原則のカードで確認できます。
エビトレを見るこの記事は研究の内容をまとめたもので、医療ではありません。持病のある方や痛みのある方は、医師や専門家に相談してください。(2026年10月 時点の研究にもとづきます)